どうぶつ保険と医療費

寝てます。
寝てます。

里親会の方で「ペット保険どうする」話があったので、参考に2016年にかかったジョンの医療費を集計してみました。

ジョンについて

2012年2月生まれ(推定)
2013年7月 多頭飼育崩壊から里親募集型カフェ経由で我が家へ
2014年7月 食欲不振で受診時に「念のため」で受けた血液検査でGPT400越えが発覚 強肝剤(ニチファーゲン)・利胆剤(ウルソデオキシコール酸)の服用を開始
2016年1月時点では強肝剤と利胆剤の服用は継続、肝臓での通院は3ヶ月に1回で、その時定期血液検査(4項目)で経過観察中。
ペット保険には加入していません。

1年間でかかった医療費

john-medical-2016

(内訳)
肝臓関連:
薬代:4月まで4500円/5月から3000円(+処方料500円/回)
血液検査:院内検査3400円×4回、院外検査4850円×1回(※7月に体調不良のため臨時で検査1回)

その他
薬代:目薬・眼軟膏 1000円、インターフェロン点鼻薬(鼻風邪)500円
処置(補液):2000円×1回
歯の診察と簡易歯石とり:1500円
血液検査:パルボ抗体価 4400円
予防接種(3種):4500円

合計:80350円+消費税

医療費のうちどのくらいが保険で支払われるのか

一方で、もし保険に入っていたとすると、4歳であれば月額3000円前後で7割保証というのが一般的だと思います。あとの計算を簡単にするために、年額約3.5万円だとしましょう。

だとすると、年間8万円かかるのであれば、保険に入っておいた方がよいように思えますが、まず、予防接種は「予防のための医療」にあたるので保険対象となりません。また、血液検査のうち「治療を伴わないもの」についてはこれも保険対象とならないことが多いので、上記のパルボ抗体価検査についてはまず対象外と考えられます。

つまり保険金が支払われる可能性がある医療費の年額7.2万円弱になります。ただしここで注意が必要なのが、ジョンの肝臓は3年めだということです。ペット医療保険は1年ごとの契約更新になるため、発症した年の治療費については当然支払われますが、契約更新時に保険によって以下のように対応が分かれます。

1)特に何も条件なく前年度と同じ条件で保障される
2)「既往症」扱いとなって当該疾病が保険対象からはずれる
3)「治療継続」扱いとなり、当該疾病については治療期間中支払い上限額が前年までの支払いと通算される

1)であればなんの問題もありません(ただ、保険料は他の保険に比べて高い傾向にあると思います)。2)は「いざ病気になって、これから闘っていこうという時に時に使えない」保険で、個人的には論外だと思います。

3)はちょっとわかりにくいのですが、「他の病気や怪我に対しては通常通り保証するけど、保険期間中に発生した事案についてはその治療期間トータルで上限金額しか払いませんよ」ということです。例えば7割支払で年間上限金額が70万円の保険に入り、2歳の時に治療や投薬に年間10万円かかる病気を発症したとすると(=保険金支払額は年間7万円)、11歳までの10年間は保険金が支払われるけれども12歳以降継続する治療については保険がおりない、ということです(他の病気や怪我に対しては治療費の7割が支払われるのは変わりません)。

結局1つの疾病にかけられる金額の上限は決まってくるので(保険によりますが50万円~100万円程度)、高額な治療費がかかる疾病に対しては短期間しか保証されないことになります。誤飲などの事故による緊急手術、急性の病気で処置を早くすれば完全によくなる病気や怪我にはいいかもしれませんが、慢性疾患と長期間つきあうにはこれもちょっとこころもとないです。

ということで、もしもジョンが医療費の7割バックの保険に入っていたとしたら、この年は3500円(肝臓関連が対象外にされていた場合)~5万円(肝臓についてもすべて対象とされていた場合)が戻ってくるわけです。

最大支払われたとしても自己負担額が2万円ちょいです。そしてそのために保険料を仮に年間3.5万円支払ったとすると、合計約5.5万円。保険に入っていなかった時と比べると差額は1.5万円です。ジョンの医療費は4才の成猫にしては高い方だと思いますが、それでも保険のご利益は年間で1.5万円。1か月あたりにすれば、ランチ1回で吹き飛ぶ金額です。普通は赤字=保険料支払の方が給付金額より高くなるのではないでしょうか。

もし将来への備えだとしても、年間保険料に相当する3.5万円を10年間貯金すると、35万円です。7割給付の保険であれば、50万円の医療費に対応する保険金支払いに相当する金額を貯金できます。掛け捨ての保険に支払うよりは、貯金しておいて「使わずにすめばそれに越したことはない」と思っておく方が良いように思います。ワクチンや定期健康診断にはどのみち保険は使えないわけですし。

そういうわけで、説明が長くなりましたが、うちは保険には入っておりません。保険金支払いに関する手続きで動物病院を煩わせるよりは、その分診断と治療に時間をかけて欲しいという思いもあります。

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