想定外の結果

内視鏡検査から10日後、結果が出ました。

……リンパ腫疑って検査したのに、予想の斜め上すぎるやろ。

さんざん泣いたので検査の詳細について続きを書きます。

遺伝子検査と病理検査

内視鏡検査時にあわせて消化管粘膜の採取をお願いしていました。内視鏡は上(口)からと下(肛門)からと両方入れて胃から大腸の数カ所を取るといわれていましたが、検査が終わって退院時に、食道がちょっと荒れてたから追加で検査に出したと伝えられました。このときは、「人間だってしょっちゅう吐いてると逆流性食道炎とかなるしなー」なんて思ってたんです。

取った組織は遺伝子検査と病理検査に出します。疑っていた高分化型消化器型リンパ腫の場合、一番内側の粘膜層にできていれば粘膜組織の病理検査でわかりますが、その外側の粘膜下層、筋層、漿膜にできているものは分かりません。見落としがないようにするには、全層生検標本(全ての層の組織)を取る必要がありますが、そのためには開腹して検査箇所に穴を開けて組織を取る必要があります(地質のボーリング調査のようなものと理解)。穴をあけたところは当然縫う必要があります。猫の負担は大きくなります。

遺伝子検査(クローナリティ解析)は、リンパ球の中でも本来であれば多様性のあるはずのTリンパ球とBリンパ球の遺伝子に偏りがあるかどうかを調べる検査です(超おおざっぱな説明)。腫瘍ができている場合は腫瘍化したリンパ球の割合が他に比べて相対的に多くなることから、単一の遺伝子の増幅があるかどうかを検出します。

遺伝子検査によって、粘膜以外のところにリンパ腫ができていても、存在することはわかるため、全層検査をしなくてもびまん性リンパ腫がある可能性が分かります。なので、全層生検標本をとる代わりに粘膜生検+遺伝子検査をやる、という説明を受けました。検査結果が出るまでは1週間から10日程度と言われていました。

遺伝子検査の結果

1週間程度で一度様子を見せてください、と言われていたので、シャーロックを連れて診察を受けました。その時点では遺伝子検査の結果だけが先に来ており、特に問題は検出されませんでした。検査の後毎日の嘔吐はおさまり胃液を1回だけ吐いたこと、軟便も1回だけで食欲もとてもあることを話し、「歯の処置をしたのがよかったのかな」と喜んでいました。

「院長先生に直接お話し聞いていただく方がいいと思います」

病理検査の結果は10日ぐらいかかることもあるということで、結果がでたら電話をいただけるようお願いしていました。結果は連休明けかもしれないなぁと思いつつも、遺伝子検査の結果が問題なかったことで、病理検査もたぶん問題ないのだろうと楽観していました。

金曜日の夕方、電話がかかってきました。若い先生からでした。いつもなら検査結果はその場で電話で教えてくれるのですが、「院長先生に直接聞いていただく方がいいと思いますので、院長診察日に来ていただけますか」と言われ、「これは何か出たな」と思いました。

土曜日の朝、検査結果を見た院長から、「良くないね。扁平上皮癌でした」と告げられました。

内視鏡を通すときに食道が硬く広がりにくいことから何かあると感じて、生検標本を追加したのだそうです。結果的に病変があったのはそこでした。

猫の扁平上皮癌といえば耳、皮膚、口腔内、顎などにできることが多く、食道にできるというのは稀なのだそうです。(論文調べてみるとおっしゃってました)がんなので大きくなれば食道を塞いでしまい、文字通り「食べ物が喉を通らなく」なります。「数ヶ月後」と聞こえた気がしましたが頭が朦朧としていてよく覚えていません……。

位置的に切除は困難なこと、当面の対処としてはインターフェロンと抗がん剤だが、抗がん剤は副作用があること、食べ物が入らなくなり吐出がはじまったらチューブか胃ろうで栄養を取らせることで延命はできるという説明を受けました。抗がん剤については少し考えるとして、インターフェロンは2日に1回自宅で注射できるようにその場で処方してもらい持ち帰りました。

費用

全部で5万円は行かないと思う、と言われていましたが、食道の検査を追加したのでもう少し高くなりそうな気がします(後ほど追記予定)

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