方針について話し合う

今後の王子の経過予想と治療方針についてかかりつけ医の院長と話し合いました。

まず、今後の予想される経過について。扁平上皮癌は転移性は低い。腫瘍が大きくなると表面側に膨らむことで食道狭窄、漿膜側にに膨らむことで自律神経障害が予想されるが、おそらく食道狭窄が先に来る。ただしいつ頃食べられなくなるのか、進行の速度は症例が無く全く予想がつかない。

40年以上の院長の治療歴の中で猫の食道の扁平上皮癌の確定診断は初めてなのだそうです。ググって見つかった唯一の論文がこれで、しかも「猫の食道腫瘍は非常に稀で, とくに腺癌と腺扁平上皮癌については報告がない」って書いてあるのですが本当にそのようです。本当にないかどうかは検査しないからわからないだけかもしれませんが症例としてデータは蓄積されていないということでしょう。

治療については、腫瘍の成長速度を遅らせることを第一に、抗がん剤をメインに使うことに決めました。併用剤として腫瘍の周辺には炎症が発生するのでステロイド(プレドニゾン)を使う。なので皮膚症状の対応として現在投与しているアトピカは中止する。ステロイドを使うことで食欲も回復が見込めるので食べられる間のQOLは上がると考えられる。

抗がん剤の院長のおすすめはカルボプラチンで数週間に1度の点滴で済み副作用も比較的軽いので楽。私は家で飲ませられる分子標的薬のパラディアを試したいといいました。パラディアは犬の脂肪細胞種用の薬なのですが最近は猫の扁平上皮癌に使用している例もあるようです。どちらも病院に在庫はあるので、いつでも始められる。

現状、軟便がひどいので治療の開始は便の状態が落ち着き次第とする(ビオフィムバスターとデルクリア投与)。パラディアかカルボプラチンかはそれまでに決めて貰えばいいよと言われましたが、私は今のところ副作用が少なそうなパラディアから始めたいと思っています。もう少し情報収集します。

抗がん剤が効いているかどうかの確認については今よりも大きくなればレントゲンでうつるけれども現状では短時間の麻酔をかけて内視鏡で見るしかないようです。そこまでやる必要はないような気がしています。

内視鏡検査時の食道の腫瘍の映像。これを見て組織検査を追加していただいたおかげで診断できました。ありがとうございました。

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